時の神様

時を進めるだけの神様がいる。
その神様は、毎日少しずつ、一定の感覚で時を進めていく。作業一つは楽だが、何せ時を進める仕事だ。24時間365日、不眠不休で働いている。

他にも、願いの神様なんてのもいる。その神様は、人の願いの明るさに応じて、叶った願いごとを落としてあげる。まるで本当に落としたかのように、それは突然人の元にやってくる。
けれども、願いが叶うまでにはどうしても時間が必要で、その辺は時の神様がいないとどうしようもない。それでも人は願いの神様に祈り、感謝する。

ある日、願いの神様は時の神様に聞いた。
自分のように感謝されることもなしに、どうしてその仕事を続けられるのかと。

時の神様は答えて言う。
私は大きな役割を担っているから、それを全うする責任があるから。
楽しいよ。同じ毎日を重ねることが。願いを叶えることと同じくらい大切なものが、そこにはあるのさ。
私は同じ毎日を続けた人が、この世界について知ることを、ちょっと手伝っているのさ。

願いの神様は困り顔で言った。自分にはわからないや、と。