空を飛べたら、きっと勉強したくなる。

きっとそういうものだ。見えるものが多くなればなるほど、知りたくなる。

大人になれば、勉強したくなる。

若い頃は、何も見えていなかったと言って。
でも、それでいい。
無知は特権だ。視野狭窄は幸せだ。その狭い中で、目一杯、自分を生きられるのだから。

大人になれば、昔は良かったと思う。

それが自然の成り行きだ。

それでも、空を飛ぼうとしてきた人間はどうなるのだろう。
一面を見渡すことに執心して、見渡せない地平に唇を噛みながら、ただ空を飛びたかった人間は。

もう戻れはしない。大きく切り拓かれて、もう自分には手に負えなくなった世界を前に、一体何をするのだろうか。

見渡す限りを滑るものを、その手につかむことは、できるのだろうか。